2017年1 月に発覚した文部科学省の天下りあっせん問題について、文部科学省の前事務次官である前川喜平氏がどこまで関わっていたのか調べてみました。
Twitterでは色々な意見があり、情報が食い違っている部分が多く見られました。
今回は事実を確かめたいため、文部科学省の天下り問題を調査した再就職等問題調査班の調査報告書を詳しく見てみました。
結論:前川氏が直接的に関わっていた事案はある
Twitterを見ていると、前川氏は部下の天下り問題の責任を取って辞職したと思っている人をよく見ました。
しかし、調査報告書を見た結論を先に書くと、前川氏が天下り問題に直接的に関わっていた事案は少なくともあるので、部下の天下りの責任を取る形での辞職というのは少し違ってきます。
ただ、あくまで僕個人の判断ですが、調査報告書上では前川氏が関わっていた事案は少なかったので、前川氏は主犯とかではなさそうとは思いました。
そもそも天下りの何がいけないのか
調査報告書を見る前に、そもそもの話しなのですが、天下りの何がいけないかということを疑問に思っている人はいるかもしれません。
しかし、僕にはうまく説明できる自信がないので、NHK解説委員である早川信夫さん(2017年8月にお亡くなりになりました)が詳しく解説している記事を見ることをおすすめします。
絵もあるのでわかりやすいと思います。
今回の文部科学省と私立大学との関係でみてみますと、2つの点で問題があります。一つは、私立大学といえど自前ですべてをまかなっているわけではなく、私学助成の形で国の予算が投入されていること。もう一つは、大学の設立や増設についての認可権限が国にあること。この2点です。
調査報告書で前川氏の「名前が少しでも出ていた8つの事案」
調査報告書で内容が明らかにされた事案の数は下記の通りです。
- 再就職等監視委員会が国家公務員法違反ではないかと指摘した事案「37事案」
- その他新たに判明した個別事案「27事案」
これら全ての事案の中から前川喜平氏の名前が少しでも出てきた事案は「8事案」でした。
その事案を一つずつ見てどのように関わっていたかを確認していきます。
※事案は『文部科学省における再就職コンプライアンスの取組:文部科学省』で公開されている『最終まとめ』の報告書(平成29年3月30日)から抜き出しています。
また、『文部科学省における再就職等規制違反についての対応(平成29年3月3日以前の掲載情報):文部科学省』で公開されている『中間まとめ』の報告書も参考にしています。
※それぞれの事案の文章にはわかりやすいように色で分けて下線を引いています
- 前川氏の名前→赤色
- 前川氏の行動や重要っぽいところ→緑色
- 前川氏が違反と認定されている文→青色
- その他気になったところ→黄色
1.「(公財)ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)事案」
この事案には前川氏はあまり関与していません。
文部科学省人事課の職員から人事課OBの嶋貫氏へ前川氏の了解を得たとするメールが送信されているだけです。
「文部科学省の人を再就職させることについて前川さんから了解を得ました」
↓
「了解」
しかし、その後の調査報告書によると前川氏は
「事実として聞き置いただけで了解する類ものではなかった」
と、人事課の職員からの報告について了解したかどうかについては否定しています。
中間まとめの報告書時点では了解したという事実は認められずに違反とされていなかった
『最終まとめ』の約1ヶ月前に公開された『 中間まとめ』には「前川氏が了解したという事実は認められず、法に規定する再就職等規制に違反する行為は確認できなかった。」とされていました。
しかし『最終まとめ』では報告を受けた時点で十分に認識していたと考えられ、前川氏は国家公務方に違反していると認定されています。
2.「慶應義塾大学事案」
この事案の前川氏の関わり方は上の事案(「(公財)ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)事案」)とほぼ同じです。
前川氏は報告を受けただけで、人事課の職員からは前川氏から了解を得たとするメールが送信されています。
そして上の事案と同じように中間まとめでは違反とされていませんでしたが、最終まとめでは国家公務方に違反していると認定されています。
3.「中京大学事案」
この事案では前川氏はかなり積極的に関わっています。
緑の下線が引かれてある箇所を見たらわかりますが、前川氏自身が再就職先として中京大学を打診しています。
完全に国家公務員法違反となっています。
4.「(公財)文教協会会長退任情報事案」
この事案で前川氏のしたことは、会長の退任の意向を確認し、その後任として文部科学省後任OBの情報を提供をしたくらいではありますが、国家公務員法では違反になるのだと思います。
5.「事案⑥有限会社国大協サービス」
この事案では前川氏は文科省のOBである有限会社国大協の役員に再就職あっせんを行
わないか打診していました。(断られたようですが・・・)
再就職の打診先の発言と前川氏の発言が食い違っているのが気になる
有限会社国大協サービスによると、前川氏は天下りの主犯とも言える文科省OBの嶋貫氏の受入れの打診もしていたようですが、前川氏は「覚えはない」と発言しています。
「前川氏は嶋貫氏の受入れも打診していました」
しかし、前川氏は
「覚えはないです」
しかし、翌年に文部科学省の別の人が嶋貫氏の受入れを打診していたので、前川氏も嶋貫氏の受入れを求めていたというのが自然とされて国家公務員法違反と認定されています。
6.「全国公民館連合会事案」
この事案に関しては前川氏は報告を受けただけのようで、特に違反になっていません。
7.「筑波大学事案」
前川氏は文部科学省から出向中の理事に早期退職を打診して、その結果を人事課長にメールで送信しています。
その後、「辞めた後のことは嶋貫氏に頼んでほしい」と嶋貫氏に情報を提供していることから、再就職の調整を行ったとみなされて国家公務員法違反と認定されています。
この事案で前川氏が退職から再就職するまでに2か月以上空けるように伝えていたのが気になる
2か月以上空ける趣旨として
「再就職等規制について、無用の疑念を抱かせないようにするための配慮した」
と発言していますが、簡単に言うと
「監視委員会に怪しまれるから期間を空けた」
ということなのだと思われます。
国会の答弁でも触れられる
このことは国会の答弁でも触れられていて、天下りに関しての引き継ぎ書に記述があったようです。
※引き継ぎ書とは人事課の職員が再就職等に係る作業を後任の人に引き継ぐ際のメモのこと
○小川委員
出典:193回 衆議院 予算委員会 14号 平成29年02月23日
その再就職期日が七月一日というのも、いかにも奇妙な一致です。
そして、九十日以内の再就職者数はゼロということは、判で押したように三月、四月にやめて七月一日に再就職しているわけですね。これに不自然さを感じないというのはおかしな御答弁だと思います。
今回、一つ非常に深刻だと思うのは、この引き継ぎ書の中で、二カ月以内の再就職に対しては監視委員会の干渉がうるさいので二カ月以上あけた方が望ましいという記述がありました。それから、前川さんは、ある事案への対応に際して、二カ月以上あけて再就職するようにという助言をしておられます。これも、違法な事案を水面下に潜らせる、一つの、期日の面、期間の面からするアプローチなんでしょうね。
引き継ぎメモには確かに記載されていました。
つまり、退職して2ヶ月以内に再就職をした人がいれば、再就職等監視委員会から細かく聞かれてしまうので再就職する場合2か月以上空けるようにしましょうということです。
ちょっと計画的犯行に近いものを感じてしまいます・・・
8.「甲子園学園事案」
甲子園学院は前川氏の執務室に訪問して人材を紹介してほしいと依頼していますが、前川氏は一度断っています。
しかし、その後のやりとりから人事課職員を通して嶋貫氏を紹介したことが推測され、前川氏も国家公務員法に違反していると認定されています。
前川喜平は主犯ではなさそうだが、直接的に関わっていた事案はある
以上、報告書で前川氏の名前が出ていた8事案を見てみました。
①天下り問題に前川氏本人が直接関わっていたのは事実
中京大学の事案などを見ると、本人自らが行動していた事案もあるので、天下り問題に前川氏本人が直接関わっていたのは事実のようです。
②前川氏が主犯ではないような気がした
“報告書を見る限り”では文部科学省人事課OBの嶋貫氏が主体的に動いていたことがわかりますが、前川氏が主犯だったとはあまり言えない気がしました。(個人の解釈にもよると思いますが・・・)
③前川氏が国家公務員法に違反していると認定されたのも事実
そして、直接的ではないにせよ前川氏か関わった7事案で、調査員から前川氏が国家公務員法に違反していると認定されたのも事実ではあります。
少なくとも前川氏は「自分は何もしていないが、部下の責任をとって辞職した」という漫画みたいなカッコいい感じではないことがわかりました。
再就職等監視委員会に対しての虚偽説明(隠ぺい行為)は前川氏はおそらく関与していない
Twitterでは、天下りの問題が発覚した際に、前川氏が再就職等監視委員会に虚偽説明をしていたというツイートを見かけました。
すると、2018年7月9日の日本経済新聞の冒頭には一応書かれてはありました。
文部科学省元幹部が組織的なあっせんを受け再就職した問題で、不正が疑われる別の案件のなかに前川喜平事務次官=依願退職=自身がかかわっていたものが2件あることが20日、分かった。また規制の網をすり抜けるため人事課OBを使ったり、再就職等監視委員会に虚偽説明を繰り返したりするなど、悪質な行為も複数認められた。
引用:前川次官もあっせん関与 文科省天下り別案件 :日本経済新聞
しかし、後半の方では「前川氏」ではなく「人事課の職員」と書かれてあります。
人事課の職員は15年9月末、早大側に対してこの再就職に文科省が関与したことを隠蔽するよう依頼。16年5月に人事課が監視委の調査を受けた際には、文科省で吉田氏の3年先輩だった元早大職員による仲介で再就職が行われたとの虚偽の話をまとめ、吉田氏や早大側にも口裏合わせをするよう求めたり、調査への想定問答集を作ったりしていた。こうした虚偽説明は16年10月まで繰り返されたという。
引用:前川次官もあっせん関与 文科省天下り別案件 :日本経済新聞
他の新聞でも「文部科学省」や「人事課職員」が虚偽説明を行っていたと書かれてあるだけで、「前川喜平氏」が虚偽説明を行っていたと書かれているものは見つけることができませんでした。
調査報告書では「人事課職員」が~としか書かれていない
調査報告書『文部科学省職員及び元職員による再就職等規制違反行為が疑われた事案に関する調査結果について』では、文部科学省大臣「人事課職員」らが~としか書かれていません。
前川氏本人は国会の答弁で「隠ぺい行為に一切関与していない」と否定している
国会の答弁で前川氏は隠ぺい行為に一切関与していないと否定をしています。(まあ関与していたとしても言うはずないのですが・・・)
○江田(憲)委員
出典:193回 衆議院 予算委員会 8号 平成29年02月07日
それでは、今回、この文科省事案で悪質なのは、隠蔽工作が行われていた、想定問答づくり等々ですね。このときは、前川参考人は事務次官でしたね。この隠蔽工作には関与されていましたか。
○前川参考人
吉田元高等教育局長の早稲田への再就職に関する件につきまして、監視委員会に対して虚偽の説明をしたといういわゆる隠蔽工作につきましては、私は一切関与しておりません。
よって前川氏が「虚偽説明をした」と断言はできない
日本経済新聞の書き方は少しややこしかったですが、これらのことから前川氏が「虚偽説明をした」と断言はできないような気がします。
前川氏には不正の認識はなかった
前川氏は文部科学省を去る際「不正の認識はなかった」と話していました。
記者「不正だったという認識は?」
(※動画あり)『辞任の前事務次官「違反の認識なかった」|日テレNEWS24』
前川氏「その時点ではなかったのが事実なんですけれど、これは監査委員会が認定したことですから、そのまま受け止めます。」
このことについて国会の答弁での話を聞くと、「現職の職員」の天下りは違反だと認識していたが、「OB」だと違反ではない思っていたようです。
○笠委員
引用:193回 衆議院 文部科学委員会 3号 平成29年04月05日
きょうは、前川さんと藤江さん、両参考人においでをいただきました。
まず、お二人に伺います。
当時、同時期に、前川さんが文科審、そして藤江さんが人事課長という立場で幾つかの案件にかかわっておられますけれども、違法行為、国家公務員法違反に当たるという認識があったかどうか、それぞれお答えください。
○前川参考人
現職の職員が直接再就職先と連絡をとり情報をもらう、あるいはポストの提供を求める、あるいは再就職を求める人間の情報を提供する、こういった行為、これは明らかに違法であるということは十分認識しておりました。
ただ、OBによるあっせんにつきましては、ここにつきましては私の不明を恥じるばかりではございますけれども、違法性の認識に欠ける部分があったことは否めないというふうに思っております。
辞任した前川氏は何千万という退職金をもらっている
僕がこの天下り問題の前川さんのことで一番府に落ちないのは、前川さんは国会の答弁で今回の違反について「万死に値する」と発言しているのに、何千万という退職金をもらっていることです・・・
○前川参考人
引用:193回 衆議院 予算委員会 8号 平成29年02月07日
お答え申し上げます。
今回の文部科学省におきます再就職規制違反の事案は極めて重大なものと受けとめておりますし、私の責任は極めて重いと認識しておる次第でございます。
このような形で文部科学省、ひいては政府に対する国民の信頼を揺るがしたということにつきましては、万死に値する責任があるというふうに考えているところでございます。
文部科学省は22日、天下り問題で辞任した前川喜平前事務次官に、17日付で退職金を支払ったことを明らかにした。前川氏とほぼ同じ勤続37年で、事務次官を自己都合で退職した場合の支給額は約5610万円になる。文科省は、実際の支給額は「個人のプライバシーに関わるので答えられない」としている。
引用:【文科省天下り斡旋】前次官に退職金5千万円超支給か – 産経ニュース
前川さんのことを「正義感のある人」「誠実な人」などのように思っている人はいるかもしれませんが僕的には少し疑問に感じてしまいます。
前川氏の会見や講演での天下り問題についての発言
前川氏は文部科学省を辞めた後、様々な場所で会見や講演をされています。
その時に天下り問題について発言をしていたところをいくつか見かけたので、その箇所を集めてみました。
※YouTubeで見た中で発言が確認できたものだけを集めています。
記者:加計学園問題で「行政が歪められた」と声を上げていたのに、省内の歪みについては声を上げなかったのか?
前川氏は文部科学省を2017年1月に辞任した後、2017年5月に記者会見を開き、加計学園が選考された経緯について「公平、公正であるべき行政のあり方が歪められた」と述べています。
この発言は多くのメディアが取り上げ話題になりました。
このような背景があり、2017年6月に日本記者クラブで行われた会見で記者は「省内の歪みについては声を上げなかったのか?」という質問をし前川氏は下記のように答えています。
記者「前川さんは特区の選定過程で”行政が歪められた”と声を上げてます 。ただ、一方でですね、前川さんが事務次官に就任した際に、文科省の歴代幹部が長年天下りをしていた実態を承知していたと思うんですけども、この時なぜですね、省内の歪みについて声を上げなかったんでしょうか。」
前川氏「ちょっと意味が取れなかったんですが、”天下りを承知していたのに是正しなかったのは何故”かというご質問ですか? 私は天下りって言いますか、今回の再就職規制違反の発端になった吉田局長の早稲田大学への再就職の経緯は事務次官として人事課から報告を受けるまでは承知しておりませんでした。またその他の案件についてもですね、違法な事例があるということはその時点では承知しておりませんでした。再就職等規視委員会の指摘を受けてですね、改めて違法行為というものが明るみになって、その時点で私は違法行為についての認識をするに至ったということですから、”知っていたのに是正しなかった”ということは当たらないという風に思っております。」
0:49~ 上記発言(全録)前川喜平前文部科学事務次官が会見 2 – YouTube
前川氏の発言を要約すると、
- 発端になった吉田局長の早稲田大学への再就職の経緯は報告を受けるまでは承知していなかった
- その他案件は違法な事例だと承知していなかった
- なので、”知っていたのに是正しなかった”ということは当たらない
と、いうことになります。
前川氏は元々「不正の認識はなかった」(本当かは不明ですが)という主張をしていたので、一貫性はある発言だなと思いました。
講演で「自分も含めてOBの再就職のあっせんに関わっていた」ということを正しく発言
2018年4月のこちらの講演では、前川氏はそのままの事実を話しているような印象を受けました。
「自分も含めてOBの再就職のあっせんに関わっていた」ということを正しく発言されていました。
前川氏「私は去年の1月20日に文部科学省を辞めたんですけども、その辞めた経緯はですね、いわゆる天下り問題というのがございまして、文部科学省の現役職員が私も含めてOBの再就職のあっせんに関わっていたということで、再就職等監視委員会から厳しく指摘を受けましてですね。まあぞろぞろと、かなり安易に”まあこのくらい大丈夫だろう”と思ってやっていたことが全部違法認定されましてですね、何人だったかな。私もよく覚えてませんが20人か30人か処分を受けましてですね。私もこれはもう事務組織のトップにいた事務次官としては、これは引責辞任しかないという風に思って。去年の1月の御用始めの日には意思を固めて大臣にも申し出て、官邸にもお伝えして、1月20日に辞めたということでございました。」
2:05~ 上記発言20180412 前川喜平、寺脇研、望月衣塑子講演会 – YouTube
講演で「天下りあっせん問題の責任を取って辞めた」と少し違和感のある発言
2019年8月に開催された日本ジャーナリスト会議(JCJ)主催の授賞式での講演です。
この講演で「違法天下りあっせん問題の責任を取って辞めた」と発言しています。
報告書によれば、前川氏が天下りあっせんに直接的に関わっていた事案はあり、7つの事案で国家公務員法に違反しているので、「責任を取って辞めた」という言い方は少し違和感があります。
前川氏「(文部科学省を)辞めた経緯がですね、違法天下りあっせん問題の責任を取って辞めたわけですね。ですから、しがらみのある団体の役員に天下りするということはしてませんから。ずっと風来坊みたいな生活してるんでですね。まあ自由に発言できる立場でございますから。言いたいことは言ってるだけで、だからといって別にですね、なにか不利益を被ることはないわけです。」
13:34~ 上記発言20190817 UPLAN【前半・記念講演】前川喜平『私が見た「安倍官邸とメディア」』
都合の良いように話しているような印象を受けてしまいます。
動画で「違法天下りあっせんが文部科学省の中で起きていたので、その責任を取って辞めたんです」と発言
政治YouTuberのみこちゃんねるさんが前川氏にインタビューをしている動画ですが、この動画を見たときはけっこう違和感を感じました。
動画では下記のことを話しています。
- 文部科学省の中で起きていたので、その責任を取って辞めた
- 自分が天下りをしてどっかの団体に理事になったわけではない
前川氏「僕は違法天下りあっせんが文部科学省の中で起きていたので、その責任を取って辞めたんですよね。その発端にあった天下りあっせんというのが、僕が事務次官になる前の話なんだけど、2年前に高等教育局長が早稲田大学に再就職したと、それが違法なプロセスで行われたっていうんでね。そこからそれだけじゃなくてもっとたくさん色々なもんが出てきちゃって、それで天下り問題の責任を取って僕は辞めたわけで。自分の天下りじゃないですけどね。僕自身は天下りしてないし、政権になにかをあっせんしてもらってどっかの団体の理事長になるとかね。そういうことしてるわけじゃないですから。何の義理もないし、要するにあの文部科学省を辞めた後は、もう完全フリー だったの。自由になっちゃったわけでね。だからもう自分の言葉でなんでも言えるようになっちゃった。それまでは組織の中にいましたからね、色んな忖度を僕だってしてましたよ。」
11:20~ 上記発言【森友・加計問題】嘘をつき続けないといけない官僚はどんな気持ち?(前川喜平さん)
この動画でも前川氏は「責任を取って辞めた」と話していて、さも自分は天下りに関わっていないような風に感じてしまいます。
また、「自分が天下りをしたわけではない」といういことを主張しています。
そもそも問題視されていたことは天下り”あっせん”をしていたことなので、こういうな自分は悪いことをしていないかのような話し方には違和感があります。
「責任を取ってやめた」発言を聞いた人は勘違いしてしまうと思う
前川氏は講演などで「責任を取ってやめた」という発言を何度かしています。
この講演だけを聞いた人は「前川氏は天下り問題に直接的に関わっていなく、トップとして責任を取って辞めただけ」と勘違いしてしまうような気がしました。
反省しているのか疑問に感じてしまう
講演などでの話し方を聞いていると、自分が直接天下りあっせんに関わって国家公務員法に違反しているのにも関わらず、あまり反省していないように感じます。
当時国会の答弁で「万死に値する責任がある」と発言していたのに、一国民の自分からすると前川氏のことはどうも不誠実に見えてしまいます。
まとめ
今回、調査報告書を調べてみて思ったことは
- 天下りについて前川さんは主犯ではなさそう
- でも直接的には関わっていた
- 発言の食い違いが気になる
- 隠ぺいにはおそらく関わっていない
という感じです。(もちろん、あくまで”調査報告書上では”ということですが)
また、国会で「万死に値する責任がある」ということを言っているのに、
- 何千万という退職金をもらっている
- 講演などで「責任を取ってやめた」と発言している
ということから、前川氏のことは不誠実に見えてしまいます。
僕は政治についてあまり詳しくない方ですが、今回調べたことで前川さんについて何が嘘で何が本当なのか少しでもわかったのは良かったです。
もし僕と同じように前川さんについて気になっている人がいれば参考にしてください。
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